2025年9月8日 / 最終更新日時 : 2025年9月10日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(9) (9)竹内先生の授業は、どこか冷たかった。数式を黒板に書く手が妙に速すぎて、目で追えない。しかも、数字のすき間に、見覚えのない奇妙な記号が混じっている。 「これ……算数じゃないよな」隣の席の蓮が小声でつぶやく。 悠夜もま […]
2025年9月7日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(8) (8)祠で勾玉を継いだ夜から数日後、悠夜は町に戻った。 いつもの学校の教室。ざわめきに満ちた日常の空気が、妙に遠く感じられる。窓の外に差す朝の光の中にも、わずかに白い霧が立ちこめているのに気づいたのは、彼だけだった。 […]
2025年9月6日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(7) (7)勾玉を継いでからというもの、悠夜の眼にはこれまで見えなかったものが映るようになった。 夜更け、村を覆う白霧の中に、かすかな影が浮かんでは消える。人の形をしているが、輪郭は曖昧で、風と共に溶けていく。 ――これが祖 […]
2025年9月5日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(6) (6)祠の奥に鎮められていた勾玉は、霧の奥から掬い取ったような淡青色をしていた。悠夜が手を伸ばすと、ひんやりとした冷気が掌に伝わり、霧そのものを握りしめたような錯覚に襲われた。 悠太郎は静かに語り出す。「霧の小次郎が残し […]
2025年9月4日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(5) (5)祠の前に立つ黒装束の男は、名を告げることなく悠夜に深い一礼をした。その姿は、まるで古より伝えられてきた「霧の守人(もりびと)」の化身のようでもあった。 幼き頃、祖母が炉端で語ってくれた話が脳裏をよぎる。――霧村の一 […]