2026年5月1日 / 最終更新日時 : 2026年5月1日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第五章 駿府(13) 定まるもの 朝の光は、すでに差していた。 屋敷の奥は、静かである。 広い庭の向こうに、館がある。 高くはない。 だが、広い。 土塁と堀に囲まれたその内は、整えられ、無駄がない。 戦のためだけの場ではない。 政の場であった […]
2026年4月30日 / 最終更新日時 : 2026年4月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第五章 駿府(12) 取次ぎ 夜明け前の空気は、まだ冷たかった。 町は静まり、動く者だけが動いている。 四人は、桔梗に導かれて一つの屋敷の前に至った。 城ではない。 だが、ただの屋敷でもない。 桔梗が足を止める。 「ここより先は、父の手配にご […]
2026年4月28日 / 最終更新日時 : 2026年4月28日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第五章 駿府(11) 偽りの令旨 夜は、まだ明けていなかった。 四人は、町外れの小さな廃屋に入っていた。 壁は崩れ、風が抜ける。だが、人の気配はない。 三之助が戸口に立ち、外を見張る。 「異変はない」 短く言う。 朔太郎は、灯をともした。 小 […]
2026年4月26日 / 最終更新日時 : 2026年4月26日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第五章 駿府(10) 霧の中 夜は、深かった。 町の灯も、まばらになる。 屋敷の周りは、ひっそりとしていた。 昼間の気配が、嘘のように消えている。 四人は、塀の外にいた。 影の中に溶けるように、身を潜める。 「見張りは二人」 玄之助が小声で言 […]
2026年4月25日 / 最終更新日時 : 2026年4月25日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第五章 駿府(9) 京の影 茶は、すでに冷めていた。 誰も、それに手をつけない。 桔梗が、静かに口を開いた。 「父より、聞き及びましたことにございます」 その一言で、空気が引き締まる。 権太が、背を起こす。 玄之助も、顔つきを改める。 三之 […]