2026年4月2日 / 最終更新日時 : 2026年4月2日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第四章 伊賀(7) 虎の弾圧 「うちの谷の者や」 はっきりとした声だった。 人が割れ、その男が前に出る。 「山で木を伐ってる者や」 「この者は、外の人間やない」 打っていた男が振り返る。 目が鋭くなる。 「何やと」 一瞬の沈黙。 だが、それ […]
2026年4月1日 / 最終更新日時 : 2026年4月1日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第四章 伊賀(6) 外の者か? 伊賀の谷は、その日も静かに見えた。 山に囲まれ、風はゆるやかに流れ、人はそれぞれの仕事に戻っている。 だが、その静けさの中に、不穏なものが混じっていた。 悲鳴が上がったのは、昼前だった。 「ひえ~」 悲鳴が谷 […]
2026年3月31日 / 最終更新日時 : 2026年3月31日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第四章 伊賀(5) 霧の向こう 三之助は、すぐには答えなかった。 視線を上げず、そのまま静かに息を整える。 言葉を探しているのではない。 何を言うべきかを測っている。 やがて言った。 「動かします」 短い。 だが、曖昧ではない。 虎矩の眉が […]
2026年3月30日 / 最終更新日時 : 2026年3月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第四章 伊賀(4) 試しの問い 屋敷の奥の一室。 朝の光は少しずつ強くなり、障子越しに柔らかく広がっていた。 葛山虎矩は、三之助を前にしたまま、しばらく何も言わなかった。 沈黙は長い。 だが、気まずさはない。 虎矩が、相手を見ている時間だっ […]
2026年3月29日 / 最終更新日時 : 2026年3月29日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第四章 伊賀(3) 虎という男 伊賀の中でも、葛山の屋敷は少し高いところにあった。 谷を見下ろすように建てられ、道を行き来する者の動きがよく見える。 この屋敷の主、葛山虎矩は、伊賀でも指折りの力を持つ地侍であった。 もともとは一つの谷を治め […]