2026年2月15日 / 最終更新日時 : 2026年2月15日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第一話 丹波の若侍(3) 第3回 役に立たぬ腕 夜明け前、村の外れで騒ぎが起きた。 最初に聞こえたのは、怒鳴り声だった。続いて、何かが倒れる音。 朔太郎は浅い眠りから身を起こし、外へ出た。空はまだ白み切らず、山の稜線が黒く沈んでいる。 納屋 […]
2026年2月14日 / 最終更新日時 : 2026年2月14日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第一話 丹波の若侍(2) 第2回 村はずれの噂 霧村朔太郎が丹波の集落を離れたのは、昼を少し過ぎた頃だった。 川沿いの道を選び、歩き出す。行き先を決めていたわけではない。ただ、留まる理由がなかった。 山が近づくにつれ、道は細くなった。人の足 […]
2026年2月13日 / 最終更新日時 : 2026年2月13日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第一話 丹波の若侍(1) 第1回 霧村家の若者 霧村朔太郎は、朝から何もする気が起きなかった。 川沿いの小さな集落で目を覚ます。昨夜、どこで酒を飲み、どのようにここへ辿り着いたのか、はっきりとは覚えていない。ただ、頭の奥に鈍い重さが残っていて、 […]
2026年2月12日 / 最終更新日時 : 2026年2月12日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(14) 生協食堂 京都に戻った日の夕方は、思いのほか静かだった。 観光地を外れた東大路は、帰宅する自転車の流れと、授業を終えた学生たちの足音が交じるだけで、騒がしさはない。 「夕飯、どうします?」 真衣が聞いた。 「子どもおる […]
2026年2月11日 / 最終更新日時 : 2026年2月11日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(13) 保津川下り 朝の空は、よく晴れていた。 山の宿を出ると、空気は一段軽くなっている。昨日までまとわりついていた湿り気が、どこかへ抜けたようだった。 「今日は川やな」 嵐山はそう言って、伸びをした。 亀岡の乗船場は、思 […]