2026年2月13日 / 最終更新日時 : 2026年2月13日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第一話 丹波の若侍(1) 第1回 霧村家の若者 霧村朔太郎は、朝から何もする気が起きなかった。 川沿いの小さな集落で目を覚ます。昨夜、どこで酒を飲み、どのようにここへ辿り着いたのか、はっきりとは覚えていない。ただ、頭の奥に鈍い重さが残っていて、 […]
2026年2月12日 / 最終更新日時 : 2026年2月12日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(14) 生協食堂 京都に戻った日の夕方は、思いのほか静かだった。 観光地を外れた東大路は、帰宅する自転車の流れと、授業を終えた学生たちの足音が交じるだけで、騒がしさはない。 「夕飯、どうします?」 真衣が聞いた。 「子どもおる […]
2026年2月11日 / 最終更新日時 : 2026年2月11日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(13) 保津川下り 朝の空は、よく晴れていた。 山の宿を出ると、空気は一段軽くなっている。昨日までまとわりついていた湿り気が、どこかへ抜けたようだった。 「今日は川やな」 嵐山はそう言って、伸びをした。 亀岡の乗船場は、思 […]
2026年2月10日 / 最終更新日時 : 2026年2月10日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(12) 酒呑童子の供養塔 福知山の朝は、静かだった。 宿の窓を開けると、山から下りてくる冷えた空気が、そのまま部屋に入り込んでくる。町はすでに目を覚ましているはずなのに、物音が遠い。 「今日は登るで」 嵐山はそれだけ言った。 […]
2026年2月9日 / 最終更新日時 : 2026年2月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(11) 展示室にて 館内は、思っていたより静かだった。 派手な音も、賑やかな映像もない。 ガラスケースの中に、絵巻の複製や、古い図版、鬼の面が、間を取って並んでいる。 「……博物館っていうより」 真衣が小声で言う。「資料室、 […]