2025年9月30日 / 最終更新日時 : 2025年9月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二話 影を落とす契約書(13) 資材置き場の影 トラックの音が遠ざかり、工事現場は再び静けさに包まれた。 夜風がフェンスを揺らし、カン、と金具が小さく鳴る。 「……で、本当に入るつもり?」 蓮がごくりと唾を飲み込んだ。 「当たり前だ。せっかくここまで […]
2025年9月30日 / 最終更新日時 : 2025年9月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二話 影を落とす契約書(12) 影を運ぶトラック 夕闇が濃くなり、工事現場の周囲は街灯に照らされて白く浮かび上がっていた。 フェンスの外側の草むらに身を潜めるのは、悠夜、蓮、大地の三人だ。 「なあ……蚊に刺されすぎて、もう帰りたい」 蓮が首筋をかきむ […]
2025年9月30日 / 最終更新日時 : 2025年9月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二話 影を落とす契約書(11) 揺れる証拠放課後のファストフード店。窓の外では部活帰りの生徒たちが笑いながら歩いている。トレイの上にはポテトと紙コップ。だが三人の視線は、悠夜のスマホに釘付けだった。 「これが……さっき撮ったやつか」 蓮が指先でスクロー […]
2025年9月30日 / 最終更新日時 : 2025年9月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二話 影を落とす契約書(10) 最初の現場調査工事現場のフェンスの向こうには、鉄骨がむき出しの校舎の骨組みがそびえていた。夕暮れの光が赤茶けた鉄に反射し、まるで巨大な檻のように見える。 「うわ……想像以上にゴツいな」 蓮がフェンスの隙間から覗き込み、口 […]
2025年9月29日 / 最終更新日時 : 2025年9月29日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二話 影を落とす契約書(9) 誰に見せる? 見せない?「で、この紙片……どうすんの?」 蓮がテーブルをトントン叩きながら言った。 「先生に見せる?」「いや、ダメだろ」 悠夜が首を横に振る。 「なんでさ。先生なら何とかしてくれるかもしれないじゃん」「逆 […]