2026年1月31日 / 最終更新日時 : 2026年1月31日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(3) 京都 二月の終わり。 節分の騒ぎがひと段落し、校舎にも少しだけ春の気配が入りはじめていた。 放課後の理科室。 窓の外では、校庭の隅に残った豆殻が、風に転がっている。 「鬼ってさ」 蓮が、何気なく言った。 「追い払うも […]
2026年1月30日 / 最終更新日時 : 2026年1月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(2) 創られた鬼 節分の夜から、数日が過ぎた。 課外活動の時間、視聴覚室ではなく、小さな社会科準備室に集まっていた。壁一面に古地図。棚には副読本と史料集。嵐山の「いつもの場所」だった。 「前に出た名前、覚えとるか」 嵐山が […]
2026年1月29日 / 最終更新日時 : 2026年1月29日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(1) 節分の夜 節分の夜だった。 学校の視聴覚室には、社会科の課外活動に集まった生徒たちが、まばらに座っていた。 テレビの画面には、赤鬼と青鬼が映っている。豆を投げられ、笑われ、最後には追い払われる。 「鬼は外――」 甲 […]
2026年1月28日 / 最終更新日時 : 2026年1月29日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十一話 相模川(最終回) 発見者のその後 発見者の名前は、 いつの間にか記事から消えていた。 最初の報道では、 「地元在住の男性」 「散策中に偶然発見」 とだけ書かれていた人物だ。 悠夜は、 その後の記事をいくつか読み比べていた。 「……名前 […]
2026年1月27日 / 最終更新日時 : 2026年1月27日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十一話 相模川(8) 旧流路に立つ 翌週、 話題の杭について、 新しい記事はほとんど出なかった。 否定もない。 訂正もない。 ただ、 同じ言葉が繰り返される。 《相模川旧橋脚》《鎌倉期の大橋》《頼朝の時代》 「……流れ、止まりましたね」 […]