2026年2月2日 / 最終更新日時 : 2026年2月2日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(5) 新幹線 新横浜のホームは、 いつ来ても少し落ち着かない。 人の流れが早く、 立ち止まる場所がない。 「ここからやな」 嵐山が言った。 「ひかり」に乗り込むと、 車内は急に静かになる。 座席に腰を下ろし、 窓の外を […]
2026年2月1日 / 最終更新日時 : 2026年2月1日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(4) あだ名 職員室の奥、校長机の前。 嵐山は、椅子に腰かけたまま、少し肩の力を抜いていた。 以前ならあり得なかった光景だ。 青シャツ校長は、青いスーツの袖口を整えながら、書類に目を通している。 「――で、嵐山先生」 顔 […]
2026年1月31日 / 最終更新日時 : 2026年1月31日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(3) 京都 二月の終わり。 節分の騒ぎがひと段落し、校舎にも少しだけ春の気配が入りはじめていた。 放課後の理科室。 窓の外では、校庭の隅に残った豆殻が、風に転がっている。 「鬼ってさ」 蓮が、何気なく言った。 「追い払うも […]
2026年1月30日 / 最終更新日時 : 2026年1月30日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(2) 創られた鬼 節分の夜から、数日が過ぎた。 課外活動の時間、視聴覚室ではなく、小さな社会科準備室に集まっていた。壁一面に古地図。棚には副読本と史料集。嵐山の「いつもの場所」だった。 「前に出た名前、覚えとるか」 嵐山が […]
2026年1月29日 / 最終更新日時 : 2026年1月29日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十二話 大江山(1) 節分の夜 節分の夜だった。 学校の視聴覚室には、社会科の課外活動に集まった生徒たちが、まばらに座っていた。 テレビの画面には、赤鬼と青鬼が映っている。豆を投げられ、笑われ、最後には追い払われる。 「鬼は外――」 甲 […]