2025年9月4日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(5) (5)祠の前に立つ黒装束の男は、名を告げることなく悠夜に深い一礼をした。その姿は、まるで古より伝えられてきた「霧の守人(もりびと)」の化身のようでもあった。 幼き頃、祖母が炉端で語ってくれた話が脳裏をよぎる。――霧村の一 […]
2025年9月3日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(4) (4)夜更けの山道を、悠夜と蓮は肩を並べて歩いていた。村に伝わる古文書を探すため、悠夜は祖父の隠していた小さな祠へと向かっていたのだ。 祠の奥に眠っていた巻物を開いた瞬間、二人は息を呑んだ。そこに記されていたのは「霧の […]
2025年9月2日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(3) (3)その日の放課後、悠夜はランドセル……ではなく、教科書の重さでふくらんだカバンを肩にかけて、教室を出ようとしていた。蓮が、ひょこっと後ろから飛びついてくる。 「なあなあ悠夜! さっきのプリント、持ってる?」「……算数 […]
2025年8月29日 / 最終更新日時 : 2025年9月9日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(1) (1)霧村悠夜(きりむら ゆうや)は、自分の名前があまり好きじゃなかった。 「霧」も「夜」も、どこか冷たくて、さわっちゃいけないものみたいに聞こえるからだ。 ましてや「霧の小次郎」の子孫だなんて、絶対に知られたくなかっ […]
2025年8月29日 / 最終更新日時 : 2025年9月16日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(2) (2)次の日も、学校の空気はやっぱり変だった。 昇降口の前では保護者が集まって、またお金の話をしている。 「学費が……倍?」 「塾なんて、とてもじゃないけど……」 みんな顔をしかめていて、子どもたちは気まずそうにうつむ […]