鬼を狩る子孫 第一話 見えない請求書(4)
(4)
夜更けの山道を、悠夜と蓮は肩を並べて歩いていた。村に伝わる古文書を探すため、悠夜は祖父の隠していた小さな祠へと向かっていたのだ。
祠の奥に眠っていた巻物を開いた瞬間、二人は息を呑んだ。そこに記されていたのは「霧の小次郎」の名。戦乱の世に笛吹童子と共に鬼の軍勢と戦ったこと、そして自らの命を賭して人々を守ったことが克明に綴られていた。
「やっぱり……私の血筋は間違いじゃなかった」
悠夜の声は震えていた。
蓮は静かに頷き、巻物に指を這わせた。
「でも、ここにはまだ続きがあるよ。――“子孫に託す、再び現れし鬼の王の影”」
その言葉に二人の背筋は凍った。鬼の王は小次郎の宿敵。すでに滅びたはずのその名が、今また甦ろうとしているのか。
と、その時。祠の外で風がざわめき、霧が立ち込めた。霧の中から現れたのは、黒い装束の影――。
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「ようやく……見つけた」
その声には、人とも鬼ともつかぬ響きがあった。

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