2026年1月14日 / 最終更新日時 : 2026年1月14日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十話 大山詣り(10) 伊勢原から小田急で藤沢へ戻り、嵐山は駅前でタクシーを止めた。 「大山街道の入口まで頼む」 短い指示だったが、運転手はすぐに頷いた。 旧東海道に出ると、道の流れが、はっきり二つに分かれる場所がある。 一方は江の島と鎌 […]
2026年1月13日 / 最終更新日時 : 2026年1月13日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十話 大山詣り(9) 線が重なる――街道と山の同一点 雨降り神社下社の境内は、しんと静まり返っていた。 落書きの前から一歩下がり、悠夜は周囲を見回す。 参拝客はいる。だが、この場所には、長く足を止める理由がない。 それなのに――落書きは […]
2026年1月13日 / 最終更新日時 : 2026年1月13日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十話 大山詣り(8) コマ道を越えて ケーブルカーの扉が、低い音を立てて閉まった。 車内は思ったより狭く、木製の床と、やや急な傾斜が、これから山に入るのだという感覚を強めてくる。 「昔は、 ここまで全部歩きやったんや」 嵐山が、窓の外を見 […]
2026年1月10日 / 最終更新日時 : 2026年1月10日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十話 大山詣り(7) こま参道――境界を越える前 御師の宿が並ぶ通りを抜けると、道はゆるやかに上りはじめた。 視界の先に、石段が見える。 「こま参道やな」 嵐山が言った。 両脇には、土産物屋や茶屋。 その合間に、小さな御師の宿がまだ残っ […]
2026年1月8日 / 最終更新日時 : 2026年1月8日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第十話 大山詣り(6) 伊勢原――山へ向かう町 伊勢原駅の改札を出た瞬間、空気が少し変わったように感じた。 鎌倉や藤沢とは違う。どこか、「山に入る前の町」の匂いがある。 駅前の通りには、 大山を描いた古い案内板や、「大山名物」と書かれた看板 […]