2026年3月8日 / 最終更新日時 : 2026年3月8日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第二章 洛中の渦(6) 第6回 霧村の名 祭の喧噪を離れ、朔太郎は洛北へ向かった。 都の北は、次第に人影がまばらになる。畑が広がり、松林が続く。応仁の乱で洛中は焼けたが、このあたりは大きくは傷まなかったと聞く。 小さな寺があった。 霊松 […]
2026年3月6日 / 最終更新日時 : 2026年3月6日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第二章 洛中の渦(5) 第5回 道場の静寂 祭の喧噪を離れ、朔太郎は裏通りを歩いていた。 小さな道場の門が開いている。 中から、稽古を終えた若武者たちが出てくる。 額に汗をにじませ、木刀を肩に担いでいる。 「さっきのは狙ったやろう」 「 […]
2026年3月5日 / 最終更新日時 : 2026年3月5日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第二章 洛中の渦(4) 第4回 祇園の面 嵯峨から都へ戻る道すがら、太鼓の音が聞こえた。 低く、腹に響く音である。 洛中へ入ると、人の流れが一方向へ向いていた。四条のあたり、祇園社の方へと向かっている。 朔太郎は、その流れに身を任せた。 […]
2026年3月4日 / 最終更新日時 : 2026年3月4日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第二章 洛中の渦(3) 第3回 川を握る者 洛外の焼け跡を離れ、朔太郎は西へ向かった。 嵯峨は、都の中心とは空気が違う。 山が近く、川が近い。風が乾いている。 大堰川――保津川の水がゆるやかに広がるあたりには、舟が幾艘も繋がれていた。俵が […]
2026年3月3日 / 最終更新日時 : 2026年3月3日 管理者 創作小説 鬼を狩る子孫 第二部・過去編 第二章 洛中の渦(2) 第2回 洛外の焼け跡 洛外は、まだ戦の匂いを残していた。 焼け落ちた堂宇の礎石がむき出しになり、折れた梁が黒く横たわっている。瓦は砕け、鐘楼は半ば崩れたまま、傾いた影を地に落としていた。 応仁の乱から三十余年。 […]