鬼を狩る子孫 第二話 影を落とす契約書(7)
図書館で見つけた紙片
翌日。
三人は放課後に駅前の市立図書館へ向かった。
「田野倉んちのこと、もう一度調べ直そうぜ」
悠夜が言うと、蓮が苦笑する。
「図書館で? 探偵団ってより、ただの宿題組だな」
「まあ、夏休みの自由研究ってことにしとこう」
大地が半分本気でつぶやいた。 三人は資料室の奥で、分厚い市報や工事記録に目を通す。埃っぽい空気の中、ページを繰る音だけが響いた。
「おい、これ見ろ」
蓮が手を止め、ページの間に挟まれた紙片を引き抜いた。

「なんだ、これ」
A4のコピー用紙の一部で、建設入札に関する数字が印刷されている。その端に、鉛筆で走り書きがあった。
《仕様違反 確認せよ》
三人は思わず顔を見合わせた。
「……誰かの忘れ物?」
大地が不安げに言う。
「いや、わざとだろ。隠してあったんだ」
悠夜は紙を光に透かしながら、真剣な表情になる。
「でも、誰が?」
蓮が首をかしげる。
「竹内先生の時みたいに……俺たちに “気づけ” って言ってるんじゃないか?」
悠夜の声は低かった。
「待て待て、そんな映画みたいなことあるか?」
蓮は笑い飛ばそうとしたが、どこか声が上ずっていた。
「……でも、もし本当なら」
大地がぽつりとつぶやく。 三人の胸に、不思議なざわめきが広がっていった


