山小舎便り(24)-令和6年9月5日 野分の後ー
本州を縦断しようとしていた台風10号も、上陸後は中心気圧が急速に上がり、信州の山小舎では連日驟雨に見舞われたこと以外は、大した被害もなく過ぎていきました。東京での最高気温は30度を下回るようになり、標高1650mの当地では、午前9時30分現在の室温は19度と、秋めいたものに変化してきました。
久しぶりに早朝からの好天、先ほどの試歩でご近所の山荘の庭に花が咲いているのを見つけ、写真を撮って来ました。
山小舎に戻り図鑑で調べてみると、キタザワブシというトリカブト属の多年草の植物でした。花の色と形だけをみるとキキョウ科のヒメシャジンに類似しているのですが、葉に菊のような切れ込みがあって、別物であることが判ります。I am no botanist なのですが、徐々にでも山野草に詳しくなりたいと思っています。
私は昨年12月に左足の股関節に痛みが生じ、病院からは変形性股関節症との診察を下されています。体重を落とすことが必要であることは自明なので、それまでの鯨飲馬食のような食事を改めると、80kgの体重がみるみると67kgにまで下っていきました。それでもまだ痛みは残っているので、色々と試行錯誤したところ、江戸時代の人たちの歩き方である ”ナンバ歩き” というものが身体に負担を掛けないのではないかということに思い至りました。
ナンバ歩きとは、右手は右足と、左手は左足と同じタイミングで前に出す歩き方です。飛脚などを描いた絵は将にこの歩行になっていて、現代では歌舞伎役者の手足の使い方に片鱗を見ることが出来ます。
50年ほど前になりますが、巨人がV9を果たした頃に、8時半の男と称された宮田投手は、マウンドからダッグアウトに戻るとき、一足も乱すことなく一直線に歩を進めていましたが、ナンバ歩きでは、その足跡は2本の平行線になるようにするものです。今朝の試歩ではこのナンバ歩きを実践してみたところ、効果はあるようで、いつもは息が切れる坂道でも、停まることなく登りきることが出来ました。