俳句的生活(16)-青葉繁れるー

乃木さんの話をしたので、今回は彼にまつわるエピソードを紹介することにします。足利氏の末裔についての話です。乃木大将は日露戦後、明治天皇の勅命を受けて、学習院長に就任し、昭和天皇の初等科入学に合わせて、皇孫の教育を託されることになりました。その時、裕仁宮の学友に足利氏の末裔にあたる人がいました。尊氏の長男の血筋は15代将軍の義昭で終わるのですが、次男で鎌倉公方となった血筋は、2万石の小大名になるのですが、江戸時代の末まで続くことになりました。その末裔が、学習院で裕仁宮とともに、乃木大将の教育を受けることになったのです。時は南朝一辺倒の時代であり、尊氏は最大級の逆賊の扱いをされていました。当然、その末裔は友達から、いじめを受けるのですが、その時、乃木さんが諭したのは、悪いのは尊氏であって、君ではないのだから気にするな、というもので、後年、東海大学総長を務めたその末裔は、ますます悔しい思いをした、ということです。

副題の青葉繁れるは、井上ひさしの自叙伝的青春小説の題名になっているものですが、”青葉繁れる桜井の~”という大楠公の歌と関係があるのかと思い、1年ほど前に読んだことがあります。ところが正成や尊氏とは全く関係のない、若尾文子がモデルとなっているマドンナが登場する、昭和25年ごろの仙台のバンカラ青春小説で、やや落胆した覚えがあります。

雑木とはいへど若葉の天を衝く 游々子

我家の雑木

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