写真で見るプレバト俳句添削(45)-令和5年2月9日ー

お題は「冷蔵庫に貼られたメモ」です。

中田喜子 春立つや桃色のメモ退院日

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中田さんは冬麗戦でランク外の11位に沈んだので、今日はそのリベンジ戦です。

中田さん: 桃色の紙に退院日が書いてあるんです。その日は出産を終えた娘の待ちに待った退院日が書かれているという句なんです。

ジュニア: 春立つや/桃色のメモ/退院日/って、これは何かこう3段切れ・・じゃないのかなと思います。

梅沢さん: 俳優ってね、こういう落ち度をやってしまうんですよ。私も先生から語順が悪い語順が悪いって何年も言われ続けているんです。俳優って語り部ですから、喋らしたら誰にも負けないんですから、表現力豊かで。

浜田さん: それは台詞があるから。

ジュニア: で、どうしたらいいんですか?

梅沢さん: 急に言われても。私だったら桃色から始める。

浜田さん: 語順がね。分かりました。

夏井さん:この句の評価のポイントは、上五「春立つや」と詠嘆した効果の是非です。

中田さん: あ~

浜田さん: 現状維持! 先生から「リズムが残念」

夏井さん: 「春立つ」という季語は良いですね。そして、”桃色のメモ” と具体的に書くことで、映像も確保できますね。そこらへんの判断は良かったです。勿体ないのは、やっぱりリズムがプツプツと切れている。おっちゃんの言うとおり、”桃色” からですよね、私もそう思います。

添削 桃色のメモよ春立つ退院日

”メモ” で一旦軽く詠嘆するんです。そするとメモに向かってズームアップしていく感じもありますね。そしてメモの映像からカットが切り替わって、春立つ退院日にワープできる。

中田さん: ”春立つ退院日” そうですよね。先生、有難う御座います!

浜田さん: 一人で盛り上がっている!

游々子: 中田さんの原句は、詠嘆するものが間違いましたね。ここでの詠嘆は ”春立つ” ではなく、”メモ” でなければなりません。語順をそのままにして、3段切れを解消しようとしたら、「春立ちて桃色メモや退院日」となりますが、夏井さんの添削を超えてはいません。その理由は、この句においては、季語の「春立つ」よりも「桃色のメモ」の方が重要であり、季語を主役とするのではなく、退院日に添えられた脇役にするのが相応しいからです。


千原ジュニア サンタへの手紙貼られたままの春

サンタ

千原さんは名人10段から、たった一度の足踏みだけで、永世名人に駆け上りました。50句に向けて既に掲載に値するのが22句あるそうです。

梅沢さん: 5年は掛かるよ。

ジュニア: 梅沢さんはあと一句になってからだいぶ経ってますね。

この句は、読者に自由に考えて頂けたらいいかなと思って書いたんですけど、子供が書いたサンタへの手紙が可愛らしすぎて、捨てられずにずっと貼ってある、ということもありますし、もしかしたら何か事情があって別れた子供の手紙を捨てられずに貼ったままにしてあるとか、いろんな方がいろんな風に読んで頂けたらなと、詠んだんですけど。

浜田さん: YOUさん、どう思う?

ジュニア: 誰に聞いてんねん!

YOUさんはジュニアがバイク事故で瀕死の重傷を負った時、献身的に支えた女性です。

梅沢さん: 素晴らしいですね。いいお父さんなんだろうな、ジュニアはもう。

浜田さん: 掲載決定! 先生から「句に奥行きがある」

夏井さん: 読んでいけばいくほど、奥行きが深くなっていきますね。パッと読むと「可愛いから貼ってる」というところから皆出発するんですけど、ひょっとして親として会えなくなった状況、例えば離婚だったり、そういう可能性も出て来ますよね。”春” というのは色んな複雑な感情を持ってますね。喜びだけじゃなくて、切なさとか憂いとか、色んなものをこの季語は内包している訳です。その季語の本質をちゃんと知っていて信じているから、こういう展開の句を作ることが出来ると。なんか永世名人になって急に立派になってきた!

游々子: 私はプレバト出場者の中で、ジュニアを一番買っているのですが、今回またまた名句が生まれました。ジュニアが出演する回は欠かさずブログに書くことにします。


梅沢冨美男 お三時は固めのプリン春の雪

プリン

この句は紹介するに値しない程のボツの駄作句なので、コメントを省略します。梅沢さんは50句に到達しても辞めずに続けるそうです。