写真で見るプレバト俳句添削(43)ー2023冬麗戦(4)ー

3位 キスマイ千賀 冬ぬくし粘板岩に貝の跡

化石

千賀さん: ”冬ぬくし” っていうのが季語で、冬の中でも暖かい日、ほんのりしたラッキーがある。粘板岩っていうのは堆積岩の一種で、うすく剥がしやすい。化石発掘体験ってあるじゃないですか。ハンマーでポンポンと叩いて、その中の化石を発掘する! 名古屋のロケのVTR見て、これはラッキーだなと思って取り合わせた。

二階堂さん: これテレビで観てたら凄いと思うんですけど、改めて説明聞くと全く訳が分かんない。

ジュニア: 分かるやろ。めちゃめちゃ分かりやすい。説明もちゃんとしてくれたで。

二階堂さん: 説明も訳が分からない。

夏井さん: これは作品としてキチンと出来ていますね。で、こっちの ”粘板岩に貝の跡” に対して、この季語が動くんじゃないかなと考える人が何割かいらっしゃると思いますけど、この季語を選んだことが、テーマ「ラッキー」と重なってくるんですね。冬の暖かい日に化石探しを楽しむんだよ、とここで繋がります。そして化石を見付けることが出来て、ああラッキーという風になりますね。こっちの岩とか貝に引き寄せると、こっちはもっと冷たい感じの季語の方がいいのかなと思う人がいるかも知れませんが、それは今回のテーマ「ラッキー」に寄り添わす効果もある季語の選び方になっています。いいと思いますよ。直しなしです。

游々子: 取り合わせでこの季語は絶対というものはありません。この句で、”冬ぬくし” の代わりに冬の暖かさを感じる ”日脚伸ぶ” でも ”春きざす” でも十分に機能しています。問題はそこにあるのではなく、”粘板岩に貝の跡” が化石探しに直結していなく、それが二階堂さんの、訳が分からないの感想になっているのです。私なら、化石探しである事がはっきり分かるよう「冬ぬくし槌打つ岩に貝の跡」と添削致します。


1位 森迫永依

元ちびまる子ちゃんの下剋上がおこりました。これにより、11位:中田さん、12位:高橋さん、13位:伊集院さん、14位:二階堂さん、15位:志らくさん となりました。

伊集院さん: 志らくちゃん、志らくちゃん
志らくさん: 兄さん(あにさん)、これからよろしく
藤モン: すごい下の方の争いや
志らくさん: さっきのさっきまで、たぶん1位だろうと思っていました。

1位 森迫永依 初富士は青しケサランパサラン来

ケサランパサラン

ケサランパサランとはタンポポの綿毛のような毛玉で、民間伝承上で謎の生物とされているものです。

森迫さん: 私にとってのラッキーって何だろう? と考えた時、真っ先に頭に来たのが、ケサランパサランという綿毛みたいなもので、たまに空中に浮いている。それを小さい頃から見付けて、”ラッキー” っていう風に思っていたんですね。後ろに有難いものがあったら、きっと綺麗に映えるんじゃないかと思って。

浜田さん: 梅沢さん、どうですか?
梅沢さん: 私がオープニングに何と言ったか分かりますか、皆さん! 俳句の申し子ですよ、この子は。このケサランパサランをよく出してきた! 大したもんだ! 私のあとはこの娘(こ)ですよ。

夏井さん: これは新年の感慨を ”青” に託したんです。初富士の後ろの空の青さ、雪全体の青白さ、それから新年の空気の青さ、色んな青のイメージの濃淡を前半に描いておいて、この長いケサランパサランが出てくる訳ですよね。作品として見た時に、このケサランパサランに初富士を取り合わせる勇気というか個性というか、これは中々出来ないですよね。一体誰だろうと期待しておりました。あなただったのね! と私も驚いています。

森迫さんには賞金30万円とトロフィーが渡されました。

游々子: 下剋上ということですが、大相撲で大関と幕内力士に力の差がないように、プレバト俳句の上位者と下位者にも、際立った実力差がないということなのでしょう。選者が夏井さん一人ということで、偏りがあると思いますが、永世名人、名人10段の人達は心して出直すべきでしょう。