添削(29)ーY.Oさん しおさい会(7月)ー
原句 紫陽花や鉢植えとても雨似合ふ
紫陽花に雨が似合っていることは、当たり前のことなので、そのレベルで表現を打ち切っては、”詩” になりません。映像を持たせて、似合っている様を描写しないといけません。句の末尾は、なるたけ動詞ではなく、名詞にした方が、句が締まったものになります。
参考例 紫陽花や雨の小粒の五六滴
原句 出刃先が鋭く光り鯵捌く
これも下五が動詞になっていて、文章のリズムになっています。語順を替えることで、解消できます。
参考例1 鯵捌く鋭く光る出刃の先
中七は、色々と工夫できます。”鋭く” というのが、やや安易な深みの無い形容であるからです。
参考例2 鯵捌く研師の研いだ出刃の先
原句 縁台の花火が照らす子の笑顔
縁台と花火が、夏の季語重なりとなっています。季重なりが悪いわけではありませんが、この場合の縁台と花火は近すぎて、面白味がありません。縁台は省いて、花火が子供の顔を照らした様を、強調して詠むのが良いと思います。
参考例 子の笑顔赤々と燃ゆ花火かな


