写真で見るプレバト俳句添削(18)-6月2日(1)ー

今回のお題は、”突然の雨” です。

原句 過雨あがり歩道橋より虹の端  田中要次 凡人2位 55点

虹

田中さんは、過去4回凡人の成績でした。NHKの番組で、2年間俳句修行したそうです。

田中さん: 虹の端が、雨上がりの歩道橋にかかっていた。端を橋にかけてみた。
梅沢さん: 見たままの句、語順が悪い。

夏井さん: オチャンが言うのが正しい。本当に普通の句です。久しぶりに絵に描いたような凡人の句をみました。“切れ” を入れると少しは俳句らしくなります。

添削 虹の端(は)や過雨あがりたる歩道橋

夏井さん: こうすると、歩道橋が映像としてしっかり見える。こうした方が、格好いいでしょ。恰好いいけど、普通の句です。

田中さん: 2年経っても凡人か!

游々子: 添削後も、普通の句でしかない原因は、原句の上五を活かして、中七に持ってきているからです。”過雨あがりたる” は、橋の時間経過の説明に過ぎず、そこからは、俳句の妙が生まれて来ないからです。この光景を詠むのであれば、虹が大きく遠く街に架かっていて、その中の歩道橋を、人が小さく近く渡っている、というように、大小遠近をつけて捉えるのでなければ、詩になりません。私だと、原句からはあえて離れますが、「虹の中一人のありぬ歩道橋」と致します。


原句 夏服の肩擦(こす)れ合う傘底に  大園玲 才能なし3位 35点

夏服

大園玲さんは、櫻坂46のメンバーです。

大園さん: 部活の帰りに雨が降ったとき、自分の傘はカバンの底にしまったままにして、ボーイフレンドの大きい傘に入れてもらった、という句です。

夏井さん: 本人の工夫は、下五の ”傘底に” にあるのでしょうが、この下五で、意味がわからなくなっています。

添削 夏服の肩のふれ合う相合傘

夏井さん: 直しても普通の句です。

游々子: 普通の句でしかない理由は、相合傘であれば、肩がふれ合うのは当たり前のことであるからです。この句は、大園さんが説明したように、自分の傘は出さなかったことを詠むのでなければ、意味がありません。私なら、「五月雨や吾の傘しまひ相合傘」と致します。


原句 相合いに照れしまう傘梅雨はじまる  山崎ケイ 才能無し最下位 30点

梅雨

山崎さんは早稲田大学出身で、落語家の奥さんになった人だそうです。伝統芸能の家の妻として、負けるわけにはいかない、と口上を切っていました。落語家のご主人も同席していました。

山崎さん: 好きな人と、本当は相合傘したいんだけど、まだちょっと恥ずかしいので、持っていた傘をしまった。梅雨の始まりと恋の始まりを、かけてみました。

夏井さん: 読者を置き去りにして、梅雨が勝手に始まっている。

添削 走り梅雨相合傘はまだ早い

ご主人: 早稲田大学に申し訳ない!
梅沢さん: 伝統芸能の家ということも言うな!

游々子: つまらない内容の、つまらない添削です。相合傘を契機として始まる恋を詠んでほしいです。「入梅雨や恋の始まる相合傘」


原句 夕立にすれ違いしか同級生  新妻聖子 才能あり1位 70点

夕立

新妻さん: この1枚の写真で、もしミュージカルの1シーンだったら、どんなストーリーが有り得るかを想像してみた。急に雨が降って、傘を持っていないと、あの女性のようにジャケットをかぶり、視界がクリアじゃない、見覚えがある人とすれ違ったのだけど、確かめられなくて、というような。。。

夏井さん:舞台だったとしたら、と発想し、これだけリアリティある句を作ったのは、大したものです。特待生を目指すとして、一つアドバイスします。語順を替えて、余韻を出すことが可能です。

添削 級友か夕立にすれ違いしは

夏井さん: あなたは可能性ある。頑張りましょう。

浜田さん: どうですか?
新妻さん: ミュージカルの序曲が聞こえて来そうです。今幕が上がりそう!
浜田さん: 全部そっちへ持って行くね。
新妻さん: すごい、なんか、はい。曲が始まりそう!
浜田さん: しーっ。

游々子: 添削は余韻の狙いすぎで、ぎこちなさを感じます。私は原句の方を好みます。