写真で見るプレバト俳句添削(15)ー5月12日(2)ー

後半の、特待生・名人昇格試験です。MC役の北山さんの他に、犬山さんと梅沢さんの、3人の出番です。

原句 午後も片乳出したまま窓は初夏  犬山紙子 特待生5級

時計

犬山さん: 時計が示しているのが、午後2時20分、眠ってくれない赤ちゃんを育てていると、家の中で授乳してても、片乳を出しっぱなしで仕舞う気力もないぐらいになる。家の中でちょっと恨めしく、窓の初夏の美しい景色を見て、いつかそこで子供と遊べるのかな、と思った。

梅沢さん: これ読んだとき、変態ジジイかと思った。

夏井さん: ”も” と ”まま” の是非。1ランク降格で、特待生陥落。
犬山さん: 変態と関係なかった!

夏井さん: 読んだ瞬間に困っちゃった。午後 ”も” ずっと、”まま” でしょ。何のために出しているのか、書いてないので、オッチャンのように思う人がいるのは当然、母と子の関係、キーワードを入れてくれないと。”も” は2回消したいぐらいです。

添削 窓は初夏寝ぬ子と授乳の片乳と  これなら変な爺さんと思われることは、絶対にありません。あなたね~、発想とか書こうとしてることはとても良いのに、時々とんでもない大ボケかます、もう1回上がって来て!

游々子: この句はそもそも素材が、俳句には適していないものです。短歌であれば、犬山さんの詠みたいものは、「寝ぬ吾子に午後も片乳出したまま 恨めしきかな窓は初夏」とすれば良いのですが、俳句では不可能で、むしろ真逆に、「三月なる授乳の吾子や初の夏と、3か月となる吾子がすくすくと育ち、初の夏を迎えるに至った、とするのが、読者に対するサービス精神というものです。


原句 夏蒲団軸足のミサンガの跡  キスマイ北山 特待生3級

ミサンガ

北山さん: 時計ということで、過去のことを思いだした。サッカーやっていて、当時ミサンガが流行ってた。寝る時に外すと、日焼けの跡が付いていた。

梅沢さん: これは良いのでは。これがうまくいったら、俳句は出来る、MCは出来るで、ミスタープレバト!

夏井さん: 季語 ”夏蒲団” の効果の是非。現状維持、主役はどっち。中七下五はうまかったが、季語が惜しい。”夏蒲団” が小道具になっている。例えば、”夕涼” だとバランスが取れる。

添削 夕涼や軸足のミサンガの跡


原句 公園の夕焼煮詰まれば帰る  梅沢富美男 永世名人

公園

梅沢さん: 郷さんのためにも、ミスタープレバトは私だということを、見せておきたい。

夏井さん: ボツ。 工夫が中途半端。ご本人は、夕焼けのあの色を、“煮詰まる” というように表現したつもりでしょうが、自分が煮詰まったので帰ろうか、という読み方も出来る。

添削 夕焼が煮詰まるまではまだ遊ぶ  当然載せられない。2回ぐらい、バ~ンと叩いてやって!

游々子: この添削は、主語の助詞に、”が” を使い、”まるまではまだ” がいかにも散文的で頂けません。この句の肝は、夕焼けを、”煮詰まる” と表現したところにあって、それ以外の処を云々するのは、当たっていません。私ならシンプルに、「夕焼の煮詰まりてゆく広場かな」と致します。それにしても、皆さん、破調の句ばかりで、夏井さんに忖度しているのでしょうか。

北山さん: 濱田さんのすごさを感じました。濱田さんの声量がすごい!