写真で見るプレバト俳句添削(11)-4月28日(2)ー

後半の、特待生昇格試験です。名人6段中田喜子、名人8段キスマイ横尾、永世名人梅沢富美男の3人です。

原句 竹割って垂直線のこどもの日  中田喜子

チマキ

中田さん: 春光戦での予選落ちは大ショック。夏井先生のユーチューブを何回も見た。促音便の”っ”が解説されていたので、それを使ってみた。

夏井さん: この句は、上五から中七にかけての、”割って”~”の” の叙述の是非、勢いが足りないということで、現状維持。こどもの日の前を ”や” で切って、季語を強調したい。

添削 竹を割る垂直線やこどもの日

夏井さん: もったいない もったいない あ~もったいない。
中田さん: アジャパー(伴淳の十八番)。
浜田さん: 歳が判るで。

原句は、”垂直線の” で季語を形容しているので、こういうところは、矢張り、”や” で切って、形容にならないようにする工夫が必要と思いました。


原句 函嶺のスイッチバック朝燕  キスマイ横尾

スイッチバック

1ランク昇格

横尾さん: ジュニアさん、追いついたぜ!

夏井さん: 気持ちの良い一句。「函嶺」という硬い響きが涼やかで良い。燕だけで季語であるが、朝をつけて、少し冷たい爽快な気持ちを出している。”冷たさ” ”爽やかさ” が 函嶺と付かず離れずで良い。スイッチバックも燕の動きも鋭角的で、そこも付かず離れずになっている。オッチャンがいつも言っているように、五七五は堂々として気持ちがいい。真っ直ぐ進みましょうね。

五七五をこのように認識しているなら、添削も五七五となるようにしてほしいです。


原句 暁光や桜隠しの五稜郭  梅沢冨美男

五稜郭

桜隠しとは桜を隠す雪のことで、五稜郭ではゴールデンウイークの頃、時々起こるそうです。この句を最初見たとき、上五の暁光を ”や” で切っていることに違和感を持ちました。結果は、型の選択ミスということでボツ。夏井さんからは、型の解説がありました。

夏井さん: この句の型は、上五の季語でないものに、”や” で切って、中七下五に季語を含む12音をもってきたものであるが、言葉の質量のバランスが取りにくくて、難しい型です。この句では、暁光と五稜郭という硬い言葉の間に、桜隠しという、柔らかな、たおやかな、繊細な季語が沈んでしまっている。本句では、句またがりの型を使うべき。

浜田さん: 桜隠しから始める
夏井さん: 誰が言った?
浜田さん: 僕です!
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添削 桜隠しや暁の五稜郭

句またがりとはいえ、夏井さんの場合はどうしても、破調のようなものになってしまいます。”や” を桜隠しに付けることは大賛成です。暁光を”や”で強める必要は全くないからです。句またがりでもなくするため、「暁の桜隠しや五稜郭」ではどうかと考えました。しかし、”暁の” が季語の桜隠しに掛かっているので、夏井さんの、破調的句またがりの方が、まだ良いのかも知れません。