写真で見るプレバト添削(4)-3月17日 春光戦Cブロック予選ー

お題は、階段orエスカレーター です。

エスカレーター

原句 初虹の窓辺プランター葬の鉢  岩永徹也 最下位

プランター

プランター葬とは、植木鉢の土の中にペットを埋葬することだそうです。岩永さんはそれを窓辺に置いていて、植えた植物に実がなり、新しい命を感じて、埋葬したペットを思い出した、とのことです。

夏井さんの評は、初虹との取り合わせは良いが、この語順では季語が弱い、鉢がプランターと重なっている、として、

添削1 プランター葬はつ虹の大きな窓

二択のニュアンスを出すとすれば、

添削2 プランター葬を選べば春の虹

とするものでした。

私の見解は、この句を創るに当たって最も着目すべきところは、岩永さんが述べたように、鉢に新たな命が宿ったことで、そこには大きな詩情が存在しています。私なら、プランター葬の鉢の芽吹きや窓の虹と致します。季重なりは問題と致しません。


原句 ダイヤ改正春恨の昇り降り  ミッツ・マングローブ 3位

時刻表

筒井さんのコメントは、季語の中の ”恨” が強烈すぎる、ということでした。

夏井さんは、春恨という季語に対して、〝昇り降り” がスローな感じがするとして、

添削1 春恨の改正駆け上がるホーム

のように、昇る時間だけにするか、あるいは、

添削2 春恨の改正2番ホーム嗚呼

のように、駆け上がった直後の時間だけに短縮すべき、というものでした。時間軸の調整を、季語に合わせてやる、という、非常に高度な指摘でした。


原句 静けさや一貫校の春休み  キスマイ千賀 補欠

授業

この句は、エスカレーターから中高一貫校に発想を飛ばしたものです。中高一貫校に通った千賀さんの実体験で、エスカレーター式だと友達と別れるわけでないので、寂しさ・嬉しさ・悲しさといったものが薄く、静かなものであった、とのことです。

夏井さんの評は、一貫校をもってきたのが良く、直しなし でした。


原句 卒業や階段に階段の影  フルーツポンチ村上 1位

階段

全員が絶賛した句でした。梅沢さんは、もしこの句が本戦に出されたら、自分は2位になってしまう、と仰っていました。

夏井さんは、階段が持つ未来・過去のイメージに、影がひとつ入るだけで、卒業の別れetcが重なって来る、として、大絶賛でした。

皆さん絶賛でしたが、私にはこの句の中七下五は弱く感じます。その理由は、階段を2回使ったがため、言葉不足となっているためです。階段への思い入れを、私なら、卒業す階段に疵つけたままといたします。

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