俳句的生活(137)-岩沢日月翁の句ー

俳句的生活(134)をアップした後、茅ヶ崎俳句連盟の清水呑舟会長よりメールを頂き、大山古道吟行の句碑にある博徳という人は、岩沢日月師の俳号であり、上五の弥陀仏は、宝生寺の阿弥陀三尊像であるとのご教示がありました。呑舟先生は、句会「海」で日月師より直接、師が大山古道吟行に参加されていた時の話を伺っていたとのことです。大山古道の吟行は、第1回が昭和27年4月に行われたのち、昭和40年ころまで数度にわたって行われ、藤沢から伊勢原までの全道が踏破されています。

弥陀仏の一尊反れり春寒し   博徳

中七の一尊とは、左に脇侍する菩薩で、かって火災に遭って少し姿勢が反れていることを詠んだものです。宝生寺の阿弥陀三尊は、明治初年の廃仏稀釈の嵐の中、廃寺とされた鶴嶺八幡の別当寺の常光院より難を逃れて運び込まれたもので、この句は日月師25歳のときのものです。

日月師は、現在の茅ヶ崎俳句連盟に繋がっていく「海」を主宰された方で、このような人が、偶然にも私のブログで紹介されていたことは驚きです。

若葉して御足の傷を癒しけり

阿弥陀三尊像
茅ヶ崎市HPより「宝生寺の阿弥陀三尊像」