俳句的生活(120)-茅ヶ崎最古の道祖神ー

道祖神は、村境や峠の道端にあって、外部からの悪霊や疫病が侵入してくるのを防ぐために作られたものです。規模は違いますが、京都の平安京の四隅に、神社仏閣を造り、王城鎮護の備えとしたのに類似しています。茅ヶ崎では102基が確認され、そのうち34基が小出地区に集中しています。

茅ヶ崎最古の道祖神は、享保2年(1717年)の銘があるもので、芹沢の細谷(ほそやと)にあります。番地でいうと芹沢1544で、茅ヶ崎斎場の少し東側の地域にあります。

添付写真に見られるように、この道祖神は大きく損傷し、接着剤で復元された状態で残っています。その理由は、昭和10年代まで道祖神の石塔を若者が力試しに担ぎ上げるという風習があり、置かれる場所が元の位置でなくなっていたのです。そうした中、運悪く車の接触により倒壊したのです。

こうした道祖神は、江戸時代には村民が自由に造れるようになっていたようです。現在でも新たな道祖神は造られていて、ご自宅の脇に設置している方が見受けられます。芹沢にある茅ヶ崎最古の道祖神、最先端の3次元形状測定の技術を使って、レプリカを茅ヶ崎市として作ってみてはどうでしょうか。接着剤を使った復元は、あまりにも痛々しく感じます。

紅葉の光を抱く仏かな

茅ヶ崎最古の道祖神
道祖神の絵
「小出の石仏」より

紅葉の光を抱く仏かな