俳句的生活(314)-連句(6)-

年が明け、新年の季題を発句とする連句を行いました。脇までの2句が新年で、3句目から春の句を3句続けるという式目です。

これまで順番は試行錯誤して決めていったのですが、前回よりAI(チャットGPT)に、条件を与えて決めてもらおうとしています。ところがどういう訳か正しくない回答を示して来て、それを手作業で修正しなければならないという状態です。人間にはいくつかの条件を満たした最適順番をみつけることは至難の技で、AIが最も得意とする分野であると思うのですが、チャットGPTにそれが出来ないことは、不思議な感じがします。

連句の会(6) 月日: 令和7年1月4日(土)~6日(月)

連衆: 游々子、二宮、典子、紀子

(発句)    とぐろ巻く白蛇の絵馬や初詣        典子

(脇句)    己ツチノト シミは巳(み)なつく     二宮

(第三句)   淡海の春白帽エイトの櫂打ちて      游々子

(第四句)   百万遍に買ひし菜箸            紀子

(第五句)   朧月仰ぎ二合の一人酒           典子

(第六句)   首を左右に月の海影            二宮

(第七句)   土曜日は「イタリアの小さな村」を視る日なり 游々子

(第八句)   永久に愛する君はモナリザ         紀子

(第九句)   ウインクすまた明日ねと手を振って     典子

(第十句)   五月雨の家二軒の灯り           游々子

(第十一句)  一週間鳴き続けおる蝉しぐれ        二宮

(第十二句)  茶臼山本陣ひそとして           紀子

(第十三句)  月連れて歩くススキの手が招く       二宮

(第十三四句) 馬より落ちて関所で手当て         游々子

(第十五句)  今昔紅葉且つ散る五稜郭          紀子

(第十六句)  引き継がれし三猿の教へ          典子

(第十七句)  桜下将棋興じる隠居人           二宮

(第十八句)  疎水庭なす蹴上の辺り           游々子

(第十九句)  万博や春爛漫の夢洲へ           紀子

(第二十句)  寝ても計算船場のあたり          二宮

(第二十一句) 越中より柳行李の薬売り          典子

(第二十二句) 外湯巡りに下駄鳴らしつつ         紀子

(第二十三句)  通し矢の我が身切り裂く寒九かな      游々子

(第二十四句) 雪見の酒は昼より続く           典子

(第二十五句) 二億円超えなる鮪寿ぎぬ          紀子

(第二十六句) 我がアイドルの北の零年          游々子

(第二十七句) てふてふの憧れつかみそこぬもの      二宮

(第二十八句) ポニーテールのふわふわ揺るる       典子

(第二十九句) 千年の杜億年の月明り           紀子

(第三十句)  銀杏の並木何処や浅き夢          二宮 

(第三十一句) 復興を目指す海の辺秋の空         典子

(第三十二句) 黒馬(あお)を供養の馬頭観音        游々子

(第三十三句) 本堂に名入れ座布団落語会         典子

(第三十四句) 薮入りを待ちし丁稚の指数え        二宮

(第三十五句) 昼見ても夜また燃ゆる花篝         游々子

(挙句)    四月八日の甘茶頂き            紀子


連句の妙味は、付かず離れずに先へ先へと展開していくことですが、ややもすると同じ趣向の句が続いてしまうことがあります。それは3句までは良しとするのですが、それ以上になるとしつこさが生じてきます。また叙景句もそれが何句も続くとだれた感じになってきます。この巻では際どくセーフになっている箇所がありますので、それがどこであるかを探りながら味わってみてください。