山小舎便り(27)-令和6年9月12日 親睦会ー
本稿も旧聞となりますが、さる8月10日、山の中の広場にテントを張って、山小舎生活をしているメンバーで親睦会が行われました。


山の中での生活は、お互いに利害関係が全くなく、お付き合いする人も気の合う人だけで良いので、快適そのものです。この集まりは以前は六月に ”山菜祭” と称して、コシアブラ、タラの芽 などを天婦羅にして楽しんでいたものですが、最近はそうした山の食材が採れなくなってきてしまい、普通のBBQのようなものに変貌してきています。
山の中の生活というと、私にはどうしても ソローの『森の生活』と国木田独歩の『山林に自由存す』という詩が想起されます。前者はマサチューセッツのコンコルドの森の中、後者は北海道の空知川の山の中を舞台とした、ともに19世紀の面影です。そしてこの親睦会は、都会と山の中の二つに足を入れている21世紀での生活です。19世紀的な生活を憧憬しつつ、21世紀の今を享受するという生活。この二つを違和感なく両立できるのも、40年間社会で頑張って来た者の特権ではないかと思っています。