俳句上達のヒント(5)-季語属性の叙述は厳禁ー

数は少なくなってきましたが、まだ幾つか季語を叙述することが見受けられます。なぜ駄目かといいますと、属性というものは自明のもの=叙述に値しないものであるからです。結果として、句は説明的なものとなります。

① 芽吹く木々天に真っ直ぐうすみどり
② 破れなき障子張り替え豆をひく
③ あさがおの赤白青や子らの待つ

①は、”うすみどり” が 芽吹いた木々の色属性です。②は、障子は破れるものであり、”破れなき” は状態属性を述べているだけです。③は、”赤白青” が、朝顔の色属性です。季語以外の文字は、季語属性から離れたものにしなければなりません。

①’ 芽吹く木々堂々天を担ぎをり
②’ アラビカの豆ひく香り白障子
③’ 暮れてなほ彩渾身の牽牛花