写真で見るプレバト俳句(8)-添削4月14日 俳句のお手本ー

春光戦が終了し、プレバトでの俳句は1回お休みとなり、再開した今回は、永世名人の梅沢さんと東国原さんの二人だけでの、俳句お手本の回となりました。

春光戦での予選と本戦合わせての25句の中で、Aブロック予選での、馬場典子さんの「選ばざる道過る独活ほろ苦し」が私には一番好感の持てる句であったのですが、今週日曜日より始まった内館牧子さん原作の「今度生まれたら」のドラマに、インタビューするアナウンサー役で出演していて、このドラマから受けた影響が大きかったのかなと思いました。

アシスタントの玉巻さんが、今回で番組を降りるということで、梅沢さんが、今まででどの句が一番好きだったか、と問うたところ、東国原さんの「蝶は測るフードコートの奥行を」を挙げ、梅沢さんの句はすぐには思いつかなかった、と答えたために大騒ぎとなりました。こうしたことは、この番組では、事前に打ち合わせしていた演出であろうと、直感的に思いました。

今日のお題は、満車の駐車場です。

駐車場

東国原さんの句 縦列駐車こつん春の月くすっ

縦列駐車

夏井さん: 東さんなのにかわいい! ”こつん” で動詞を省略していること、嫌みの無い擬人化が出来ているということで、掲載決定でした。

私には、これは俳句ではなく、なにかの広告のキャッチフレーズのように思えました。五七五にしてみようと、暫く考えましたが、この句(?)は、”こつん” と ”くすっ” を対にしているのが命なので、適切な五七五は不可能でした。

梅沢さんの句 日だまりに仔猫の眠るボンネット

ボンネットの仔猫

夏井さん: 永世名人らしからぬ不要な言葉がある、ということで、ボツの決定でした。梅沢さんが、”何が不要だ?” と逆巻いたのに対して、夏井さんは、”何が不要だと問い返すのが、もう永世名人ではないと思いますよ。” と応答していました。

夏井さんは、中七下五は良いが、上五がイメージ重複しているということでした。”日だまり” の代わりの○○○○○として、”ふわふわの” ”三匹の” あるいは、”お隣の” を例示しましたが、この中で、”ふわふわの” は 季語の仔猫を説明していて、適切ではないと思いました。

俳句の常識は世間の非常識 と言われますが、”仔猫” とか ”猫の親” を春の季語としているのは、私は好きではありません。この句、私なら「春昼や仔猫の眠るボンネット」と致します。

先日、NHKBSの Coolジャパン という番組で、俳句がテーマとなっていましたが、外国人全員が、”ぶらんこ” や ”風船” が春の季語になっているのは、全く解せないと言っていました。風船が季語となった由来を調べたところ、風船は、もともとは紙を貼り合わせた紙風船を指す言葉だそうで、春祭りの神社などで子供相手に売られていた名残で、春の季語となったそうです。今では風船はゴム風船がほとんどで、春祭りとは関係なく、飛ばされています。

季語というものが、誰がどのように決めていたのか、よく分からなかったのですが、この番組では、角川のような大手出版社が出している歳時記で、10年ごとに検討されて、採否が決められていると、解説していました。最近話題となっている季語のマスクですが、100年前のスペイン風邪で多くの人が付けるようになり、大正時代に冬の季語となったそうですが、今では絶滅寸前の季語となっています。季語といっても、本当に日本人の季節感とマッチしたものと、そうでないものがありますから、私たちも、これはどうかと思えるものは、たとえ歳時記には載っていても、軽々に使ったりはせずに、作句していきたいものです。みんなでそうしていくと、使われなくなった季語は、歳時記から消されていきますので。