写真で見るプレバト俳句添削(6)-3月31日 春光戦本戦(1)ー

本戦に出場するのは、梅沢富美男(優勝1回)、東国原英夫(7回)、フルーツポンチ村上(2回)、藤モン(1回)、千原ジュニア(1回)、キスマイ横尾(1回)、立川志らく、森口瑤子(1回)、馬場典子、キスマイ北山(1回)の10人です。

お題はハプニングです。東国原さんは、季語との相性が悪く、難しいということでした。

ハプニング

原句 青き日も苦き日もあり青慈姑(くわい)  馬場典子 5位

慈姑

馬場さんのコメントは、”人生、青臭い失敗もあり、遠回りしたものだ。そんなこんなあったけど、そのお陰で、今楽しく過ごせている。慈姑は皮の青いのが品質が良く、それと取り合わせてみた。” とのことです。予選のときの句の、「選ばざる道過る(よぎる)独活(うど)ほろ苦し」と相通じる人生句となっています。

藤モンの評は、上句中句が説教くさい、梅沢さんの評は、青2つが気になる、というものでしたが、夏井さんは、この二つの評は、評価が分かれるところ、とのことでした。夏井さんの評は、肝心の季語が、ちょっとだけ取り合わせた感じがする、ということで、添削は、

添削 青慈姑ほくり若き日とは苦し

と、食べるときの食感の、”ほくり” を入れて、季語を主役にするものでした。ただ、”若き日とは苦し” は、”若い日とは苦いものよの~” と一般的な詠嘆であり、自分のことになっていない感じがします。私なら、「青慈姑ほくり若き日苦しこと」と致します。

馬場さんの句は、予選では独活、本戦では慈姑と、みずみずしい野菜が効いていて、私は好きな句です。


原句 子供等の後ろの蜂のホバリング  藤モン 6位

蜂

ジュニアは、蜂のホバリングは普通のこと。ホバリング(停滞)しているのは、藤モンだろう、と茶化していました。

梅沢さんは、”の” が3つあるのが問題で、2番目は、”を” であろうという指摘でした。夏井さんは、それには賛同で、”ホバリング” は使用例が多いので、他の表現にした方が良いということで、

添削 子供等の後ろを蜂の防衛軍

として、下五が創作の大事なポイントであるので、是非今晩考えてみてください、ということでしたが、藤モンは、今は、シード落ちのことしか考えられないという返答でした。

私も考えてみたのですが、”防衛軍” では防衛が観念的で、蜂が沢山いることしか映像になってこないので、動作と音を合わせて、”飛翔音” ではどうかと思いました。「子供等の後ろを蜂の飛翔音」。


原句 日曜の空港ホテル雪の果  キスマイ横尾 4位

ホテル

東国原さんのコメントは、ハプニング色が足りない、というものでした。夏井さんの添削は、

添削 春雪に閉ざされ空港ホテルの夜

というもので、これは素晴らしい添削です。


原句 光風や控え選手のペンの減り  フルーツポンチ村上 3位

万年筆

皆藤さんは、”ペンの減り” が流石とのコメント、梅沢さんは、季語が合ってない、とのことでした。

夏井さんは、上五を、”や” で切る必要があるのか、ということで、

添削 風光る控え選手のペンの減り

と、傍題に替えるものでした。私も、”や” を使うと、季語を強調しすぎることになり、夏井さんの添削の方が適切であると思います。

原句 迫る電柱顔面5mmの春  千原ジュニア 9位

電柱

この句は、21年前の春に起きたジュニアさんのバイク事故を詠んだものですが、梅沢さんと東国原さんのコメントは、説明を聞かないと分からない、ということでした。夏井さんは、電柱にぶつかる直前の描写を、”スローモー” で、”迫る” を表すことにし、

添削 顔面潰る電柱スローモーに春

としました。助詞 ”に” がここでは有効とのことでした。

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