連句(4)
連句(46)『仔馬の巻』
令和7年4月2日(木)〜4月6日(日)
連衆 典子 紀子 游々子 二宮 初美
(発句)
母馬に添うて草食む仔馬かな
典子
かなり以前ですが、春休みに牧場に行った時とことを思い出して詠みました。
(脇句)
断崖を越え春風渡る
紀子
野生の馬の生息地である都井岬の春の景色を詠みました。
(第三句)
西へ西へ蓮華の道を踏み出して
游々子
東海道を上方に上る旅を始めました。
(第四句)
路傍地蔵に三羽の雀
二宮
西へで仏様を連想しました。
(第五句)
月さやか波音遠くより聞こえ
典子
旅の途中、海の近くから見た月の景を連想しました。
(第六句)
落鮎を釣る祇園の女将
游々子
旅先ではその土地の美味しいものを食べるのが、何よりの喜びです。京都祇園には、若女将みずから昼間に鴨川で鮎を釣り、夜に調理するカウンターだけの小料理屋があります。
(第七句)
母子して訪ひし南都の秋暑し
初美
京都から奈良へ飛びました。
(第八句)
若人二人薬師寺の塔
二宮
二人でアベックという事に。
(第九句)
写経して夫の健康祈りをり
典子
薬師寺から健康祈願を思い浮かべました。
(第十句)
竹の筆なる等伯の松
游々子
写経より長谷川等伯の水墨画を連想しました。
(第十一句)
並びたる千家の墓の黒茶碗
紀子
侘び寂びに繋がる等伯の水墨画から、同時代に生きた利休を思いました。
堺の南宗寺は利休ゆかりの名刹で、その墓の前には黒茶碗が置かれています。
(第十二句)
海の向かふは和食のブーム
典子
前句と自解より抹茶を連想しました。抹茶をはじめ外国で和食が人気とよく聞きます。
(第十三句)
水張れば田毎に映る山の月
游々子
和食の中心は熱々に炊けたご飯。そこで姨捨の棚田を連想し、水が張られた田に月が映っている景を詠んでみました。
(第十四句)
浮世絵の間に風鈴の風
紀子
歌川広重の姨捨山の田毎の月と言う浮世絵が有あるのですね。庶民に人気があった浮世絵から、風鈴の風と取り合わせました。
(第十五句)
渡り鳥鳴く島の瀬に耳開く
二宮
しっかり聞かないと、鳥の声、花の名、忘れやすい。
(第十六句)
またもリセットラジオの講座
游々子
耳をそばだてて聞かないといけない物にラジオの語学講座があります。ところがそれらは四月になるとリセットされて、また入門レベルに戻ってしまいます。毎年これの繰り返しで、いつまで経っても上へのレベルアップが出来ないでいます。
(第十七句)
卒寿過ぐ夫と花見のできしこと
初美
家の二階の窓からも花見ができます。
(第十八句)
二人静の寄り添ふごとく
紀子
前句の幸せな老後の二人からの(笑)連想句。
(第十九句)
老木に華やぎ戻る陽ざし受く
二宮
近所テニスコートの桜も年寄りとなっていましたが、華やかでした。
(第二十句)
井筒ぴょんぴょん駆ける幼子
游々子
前の三句より、伊勢物語の筒井筒の歌を連想しました。
(第二十一句)
白うさぎ探し出雲の宮巡り
紀子
前句のぴょんぴょんから出雲大社へ行きました。
(第二十二句)
鋼つくりの吹子音聞く
二宮
出雲地方は伝説神話いろいろですね。
(第二十三句)
刀舞ふ吉良に師走の大討入り
游々子
前句の鋼より、日本刀をイメージしました。
(第二十四句)
初夢に見し贔屓の役者
典子
前句より歌舞伎を連想しました。
(第二十五句)
お吟さま今東光の若い頃
二宮
中学の修学旅行京都、奈良(ドリームランド)、大阪で雨に降られ急遽映画館に、守屋ひろしショウ、映画の一つがお吟様でした。
今東光の原作とは後で知りました。
(第二十六句)
見た目重視の恋は失敗
紀子
前句の「若い頃」から若い頃の恋を色々思い出しました。
(第二十七句)
英霊の父恋ひ続けもう八十路
初美
戦死したお父ちゃんの思い出は、4歳の時に抱かれた記憶それだけです。
(第二十八句)
孫と絵本の頁を捲り
典子
前句より平和の大切さを改めて思いました。子どもと絵本を読むことができる、平和な世の中が続くことを願います。
(第二十九句)
初恋の君はあの世へ秋の月
初美
初恋も誰やったか忘れた。同級生はみんな居なくなった。
(第三十句)
遺跡野に奏づる虫時雨
紀子
虫時雨はレクイエムでもあり、又時には生きとし生けるものへのエールや祝福として心に響きます。
(第三十一句)
だんじりの彫師二十年秋の路地
典子
前句自解のエール祝福より、秋のだんじり祭を連想しました。最近若いだんじりの彫師さんのことを知りました。
(第三十二句)
黙々刻む力と思案
二宮
路地奥で仕事する彫り師を想像してみました。根気が要ることですね。
(第三十三句)
テレビでは新たな棋戦豆を噛む
游々子
前句の思案より囲碁将棋を連想しました。テレビでは今日から新年度のNHK 杯戦が始まりました。こうした番組は豆をつまみながら観戦するのが似合っています。夕方からは酒に変わりますが(笑)。
(第三十四句)
フルート奏でるしなやかな指
典子
棋士が駒を指す時の指から、フルートを演奏する人の指を連想しました。
(第三十五句)
花見客業平橋で待ち合はせ
紀子
今日の芦屋の句会後のお花見を詠みました。業平橋から花見のテントが立ち並びお花見客でごった返していました。
(挙句)
須磨の松風陽ざし暖か
二宮
須磨浦公園もさくらの名所で、山から瀬戸内が望めます。

