添削(8)ーC.Yさん しおさい会(2月)ー

原句 飛騨の里雨降る様に雪雫

雪雫は雪解の子季語で、良いと思います。中七の「雨降る様に」が雪雫を形容しているのですが、説明的になっています。ここは、季語である雪雫を叙述するのではなく、光景を広げる方が良いでしょう。

参考例 雪雫ひかりを纏ふ飛騨の朝


原句 木々芽吹き小鳥飛び交う森の朝

森の朝の叙述に、芽吹きと小鳥の二つを持ってきたために、反って叙述が平板になってしまいました。ここは、芽吹きに絞った方が良いです。

参考例 産毛なる山毛欅の芽吹きや森の朝


原句 風光る頼朝ゆかりの切り通し

中句が8音になっています。「切り通し」は「切通し」としか方が良いでしょう。「風光る頼朝公の切通し」「風光る八百年の切通し」。ダイナミックなイメージのものにしようとすれば、

参考例 風光る騎馬武者駆けし切通し