俳句的生活(60)ーなんどき橋ー

昭和38年の茅ヶ崎市明細地図を閲覧した機会に、今まで気になっていた場所を調べてみました。その一つが、産業道路が出来る前の、一国との交差点あたりの地形です。

信隆寺の脇を北上する道があり、産業道路が出来てからは、旧道と呼ばれるようになった道ですが、この道に沿って古川という川が流れていました。今ではほとんどが暗渠になってしまいましたが、レストラン「なんどき牧場」の裏などで、ときどき地上に顔を出しています。この川は必然的に一国=東海道を横切って、南へと流れていて、東海道には、今宿橋という名の小さな橋が架かっていたということです。。

ここに、怪談めいた民話が作られます。いい伝えでは、夜ごとに橋のたもとに幻の美女が出て、通る旅人に今何時かと問い続けたというのです。そこから先は省略しますが、それ以来この橋は、なんどき橋と呼ばれるようになったとのことです。昭和38年の地図では、古川は一国の下を流れていて、一国の南側は沼地のようになっています。更に2軒の牧場のあることが記載されています。「なんどき牧場」と繋がっているのかも知れません。

一国の南側が沼地であった事の痕跡として、ここには「旧筏川」という案内碑が建てられています。筏といえば相模川ですので、かって古相模川がこの辺りを流れていた時があることの名残であるのかも知れません。

雪女郎恋に時間はなかりしに

一国南側にある案内碑