添削(22)ーM.Wさん しおさい会(5月)ー
原句 陸海空遠き結びし虹の橋
虹の橋が、海と陸と空を繋いでいるという大きな景を詠んだものですが、中七が説明的になっています。
参考例 虹の橋杭を打ち込む海に山に
原句 かしわ餅手作りのごと祖母偲ぶ
下五の ”偲ぶ” が、散文的表現になっています。”偲ぶ” を使わずに、偲んでいることを表現するのが、俳句と云うものです。
参考例 かしわ餅まことに祖母の香りして
原句 空の青緑清しき五月晴れ
上五中七が、下五の季語の説明になっています。”清しい” のような形容詞を使わずに、清々しい季節を表現するのが俳句です。名詞だけを並べて、初夏の清々しさを表現したのが、次の名句です。
参考例 目には青葉山ほととぎす初鰹(山口素堂)