俳句的生活(205)-大山灯籠ー

街道に点る灯や夏の宵  游々子

私は自転車で遠出をするとき、概ねタブレットに地図を表示して、現在地を確認するようにしています。また、地図を拡大して、通り道に面白そうなものがないものかともチェックしています。昨日は小春日で、格好の自転車日和であったので、寒川方面への小径を走り、”大山灯籠” と表記されている場所に立ち寄りました。

大山灯籠の土台

この石柱を探し当てて暫く眺めていた丁度その時、畑を挟んでの家の方が出てこられ、お話を伺うことが出来ました。なんとその方は代々大山灯籠を保管・管理している当番の家の一つで、昨年はその方の家で保管したそうです。この石柱は灯籠を立てるときの土台石となっているとのことでした。

大山灯籠

お話を伺った灯籠のある場所は寒川の神之倉で、ここの灯籠は初代が寛政年間に出来たもので、現在の灯籠は数えて三代目に当たるという事です。

灯籠を立てるのは、大山阿夫利神社の夏山に合わせて、7月25日から8月25日までの間で、昔は子供や年寄りが夜は灯籠の周りに集まって、盆唄を歌ったり踊ったりして遊んだとのことでした。

神之倉の灯籠立ては、7月25日のことで、前日の7月24日は、”日待ち” と称して、灯籠を保管していた当番の家で、歓談することになっています。この ”日待ち” 行事の記録は、明治以降のものが遺されています。

大山灯籠の日待ち

高齢化が進み、こうした行事の維持が難しくなってきているとのことでしたが、是非とも次世代に繋いでいってほしいものです。来年の夏には、灯籠が立っている時に、是非とも見に行ってみようと思いました。