山小舎だより(16)-令和5年8月17日ー

1700mの高地は平地と比べて、春は2か月遅く秋は2か月早くやってきます。山ではお盆が過ぎるともう秋と言われていますが、今回の滞在で最後となる試歩をしているときに、そのことに気付きました。楓の葉が一部紅くなっていたのです。

盆過ぎて山の楓の紅ひとつ  游々子

紅葉の始まった楓

一度紅葉が始まるとそれは一気に進んでいきます。9月にまた来たときは相当紅葉した箇所が広がっていると思います。そういえば夜明けに目覚めたとき、いつの間にかに鶯の鳴き声が聞こえなくなっていました。

老鶯の去りたる夜明け夏惜しむ  游々子

今日は午後の天気予報が雨と出ていたので、試歩は午前中に済ませました。今朝はいつもは歩かない径を選んだところ、庭に花を育てている山小舎があり、そのこぼれ種で駐車場の砂利に咲いている一輪の花を見つけました。

フウロソウ

花のかたちから、ナデシコ科のフシグロセンノウではないかと思います。図鑑では山地の林の淵に生える、となっていました。

お盆の期間中、日本各地で色んな行事が行われています。15日にはこちらでは諏訪湖の花火がありました。山からは残念ながら見えはしないのですが、ドーンドーンという音が霧ヶ峰の山を越えて伝わって来ました。

また昨晩は京都五山の送り火でした。残念ながらここは樹木の葉でBSの電波が遮られていて、テレビでは見れなかったのですが、ユーチューブで京都新聞がライブ配信しているのを探し出して、それを見ることが出来ました。京都で如意ヶ岳の大文字を見るのは、今出川通りが大文字を正面に据えて絶好のロケーションで、河合橋、葵橋、賀茂大橋あたりの加茂堤が一番気分の良い処です。そうした処で午後8時、大文字に点火された一瞬を想像して句にしてみました。

大文字ひかり堤に届きけり  游々子

明日はいよいよ茅ケ崎に戻る日です。茅ケ崎の花々がどうなっているかも心配なところではあります。