山小舎だより(1)-令和5年6月1日ー

Morning after morning of late, I have taken my walk in the same direction, my purpose being to look at a plantation of young larches. There is no lovelier colour on earth than that in which they are now clad.

最近、朝ごとに同じ方向に散歩に出かけています。私の目的は、若い落葉松の植林地を見ることです。彼らが今身にまとっている色ほど美しい色は地上に存在しません。(訳:チャットGPT)

この一節は120年前に、イギリスの小説家ジョージ・ギッシングによって書かれた「ヘンリー・ライクロフトの私記」の ”春” の一部です。最近の私(游々子)は、直前に移動した物の在り処が分からなくなって右往左往することが多々あるのですが、60年も前の高校生の時に暗誦したこのフレーズを、今なお思いだすことが出来るのは、不思議というしかありません。

永年、ヘンリー・ライクロフトのような生活をしたいものと思っていたのですが、漸く念願が叶い、北八ヶ岳の西側山麓の山小舎で、6月から10月まで、月のうち10日ほどを過ごすのが実現することになりました。山小舎の一帯はミズナラと白樺と落葉松の林となっていて、試歩を兼ねた散策に事欠くことはありません。

ミズナラ林

樹々は5月初めに来たときは未だ芽吹いていなかったのですが、1か月足らずの間に薄緑の新緑となっていました。小淵沢のあたりは万緑となっていましたが、標高1700mのこの辺りは、まだ緑が薄いです。

落葉松も出湯(いでゆ)の音も夏若し  游々子