俳句的生活(212)-河津桜ー
小出川の右岸、萩園橋から新湘南国道までの間に、約70本の河津桜が植えられています。現在ほぼ満開で、土手の上にまで拡がった枝振りは、現役時代によく夜桜見物をした千鳥ヶ淵の桜並木と比べても遜色ないもので、近くの農道には多くの車が停められるほどになっています。

この河津桜は、西久保の市会議員であったKさんが主宰する「花と共に暮らす会」が2000年に、ミレニアム記念として植えられたものです。ミレニアムとは千年の期間という意味での英語ですが、語源はフランス語のミル=千とアン=年から来ています。この会にはかって私も所属していて、月1回土手の整備作業を行っていました。
俳句を始める前、私は独りで和歌を創っていて、このころ詠んだ歌に、
川端の河津の花の匂ひ淡く 春開きなむ鳥の声々
というものがあります。昨日ベンチに腰掛けて花に群がっている鳥を見ていると、中には体の小さいものもいて、昨年生まれた鳥であるかと思いました。
この土手は現在私の試歩の道となっているもので、超スローの有酸素運動をしています。18世紀のドイツの哲学者カントがケーニヒスベルクの街を午後三時ぴったりに散歩していたというので、私もそれを真似て三時に歩き始めています。
春ならひ速き人あり土手の試歩 游々子