写真で見るプレバト俳句添削(5)-3月17日 春光戦Dブロック予選ー

お題は 階段orエスカレーター。グループ員数は3人でした。

原句 春雷すストレッチャーを急かす駅  春風亭昇吉 補欠

ストレッチャー

昇吉さんの説明は、遠景の雷のゴロゴロと、近景でのストレッチャーのカラカラという音を対比させたとのことです。ストレッチャーとは病人を運ぶ器具のことで、駅で発生した急病人を、ストレッチャーで救急車に載せるところを詠んだ句です。S音を4ヵ所で使い、ストレッチャーがスムーズに救急車に入っていくことを強調したそうです。

梅沢さんのコメントは、説明が理屈っぽいとのことでした。

夏井さんは、S音を増やす企みで、春雷に ”す” を付けて動詞化したが、無駄であり、”や” で切った方が良いとのことでした。

添削 春雷やストレッチャーを急かす駅

游々子: 私は、問題は中七下五にあると思っていて、この説明的な叙述では、救急の緊迫性が伝わっていません。また、上五を ”や” で切ると、更に間延びすることになっていると思います。私なら、「春雷の駅応急のストレッチャー」と致します。


原句 春帽子手に駆け上がるあと5段  皆藤愛子 3位

駅階段

村上派を離れたという皆藤さんにたいして、フルポンさんの評は厳しく、帽子手に駆け上がるのに、春の帽子である必要性があるのか、ということでしたが、夏井さんは、それは当たっていない、との評でした。2択のイメージとして、間に合うかどうか、ということを入れた方が良い、との指摘でした。

添削 発射ベルあと5段春帽子手に

游々子: リズムが、五五七 になっていますので、私なら、「春帽子手にあと5段発車ベル」として、五七五 のリズムを守りたいと思います。


原句 春愁をエスカレーター地下へ地下へ 森口瑤子 1位

春愁

游々子: 夏井さんの評、上五に助詞 ”を” を使ったことで、春愁が塊となった。下五の表現は、心がなおさら沈んでいく様を表し、映像と結びついて素晴らしい、腕を上げた、直しは要らない、とのことでした。私は、発想の良さが、この句を素晴らしいものにしていると思いました。


予選A,B,C,Dが終了し、4人の補欠から1人が本戦に進むことになり、千原ジュニアの、「トラックター祖父の膝乗る春休み」が選ばれました。消去法での選択になったということで、昇吉さんは、”や” と ”す” が惜しい。筒井さんは、季語が動くかも知れない。千賀さんは、上五にもう一息工夫が出来た、ということでした。

 

本ブログ「プレバト俳句添削」へのリンクは自由です。