俳句的生活(154)-田端の道標ー

八王子道(萩園通り)を寒川町より南に下って来ると、道の右側の田端バス停の脇に、右側面に「右馬入みち」(添付1)、左側面に「左なんこ道」(添付2)と刻まれた道標があります。この道標から右へ行く道が無いため、この道標の意味が分からなかったのですが、改めてチェックしてみたところ、この道標のあるところは、Y字の先端にあたっていて、今では公道ではなく、個人の駐車場となっているのですが、確かに右へ入る道があったのです。

馬入みちは、新湘南国道で一度寸断されたあと、舗装もされていない畠の中の道となり、十二天社の脇を経て、斜めに産業道路の業務スーパーに至り、平太夫新田の八幡社から、相模川の土手に出るというものです。寒川側から来る人への道標として、わざわざこのような道を示唆しているのは、馬入の渡しが、馬入橋よりも200mほど北に位置していたため、東海道に出るよりも近道になっていたためです。

「左なんこ道」は、八王子道をそのまま直進することを意味しているのですが、途中通過する萩園や今宿ではなく、「なんこ」としている処に、当時の南湖の重みが覗えます。

昔の道というのは、新たに出来る住宅や道路によって潰されていくと、記録に残していかない限り、忘れ去られていくものです。デジタル技術により、可能な限り復元し、将来の変更にも対応していくべきだと思うのですが、如何なものでしょうか。

馬道の轍や今朝の薄氷

添付1 道標の右側面
添付2 道標の左側面