連句(54)
連句(54)『梅雨最中の巻』
R.8年7月1日(水)~7月3日(金)
連衆 典子 紀子 游々子 二宮 初美
(発句) 梅雨最中重なる雨の音高し 典子
先週は梅雨の時期の雨と、そこに台風の雨が降りました。最近の梅雨の雨音は以前より大きくなった気がします。
(脇句) 道を染めたる楊梅の紅 紀子
街路樹の楊梅が落ち放題です
(第三句) 赤ワインさればリーデル・グラスにて 游々子
楊梅の紅より赤ワインを連想しました。
(第四句) 色形見て味わう余裕 二宮
楊梅、ワインの赤さから連想しました。
(第五句) 故郷へ日帰りの旅月まどか 初美
故郷の月が恋しいです
(第六句) 捨身ヶ岳に赤トンボ舞ふ 游々子
今ブログで善通寺について書いているので、真魚(まお)と呼ばれていた幼少の空海が、我拝師山の断崖絶壁から身を投じたという伝説を詠みました。
(第七句) 愛の羽根胸に政治家ボランティア 紀子
初折が終わったので、過去から現在へ。良き世である事を願って詠みました。
(第八句) 村の祭りに頭下げつつ 二宮
政治家の仕事は頭を下げることでもある?
(第九句) コンチキチン揃ひの下駄の河原町 典子
前句の祭りより祇園祭でデートするカップルを連想しました。
(第十句) アラビア風の幾何学模様 游々子
鴨川の土手にはカップルが等間隔で座ることより、アラベスクを連想しました。
(第十一句) 踊り子のサンバのリズムカーニバル 紀子
前句の等間隔の繊細で美しいメロディのアラベスクから一転、少し荒々しい雰囲気に発想を飛ばしました。
(第十二句) 歓声悲鳴寝不足の朝 典子
前句よりブラジルを連想し先日のサッカーW杯の日本対ブラジル戦を思い出しました。
(第十三句) 杣人の道を照らせり冬の月 游々子
前句の歓声より、樵が斧で木を伐る時のカーンという音を連想し、場面を静寂の世界に反転させました。
(第十四句) 黒光する梁榾の宿 紀子
前句の樵から、囲炉裏を囲んだ榾火を連想しました。
(第十五句) ほそぼそと峠を越えて尾根の空 二宮
旅のひととき、また旅は続く。そんな感じです。
(第十六句) 東寺燃えたり大乱の後 游々子
碓氷峠から眺望する浅間山の燃える様に赤い雲より、応仁の乱後に焼失した東寺を連想しました。
(第十七句) 復興の街に希望の花咲いて 典子
いろんな災害から復興しようとする人々にとって、春に咲く桜は一つの希望のように感じられることと思います。
(第十八句) 春宵の別れは情けあり 初美
春は出会いと別れがあります。
(第十九句) 咲く梅を越路の人と待ちわべり 二宮
「行く春を近江の人と惜しみけり」という芭蕉の句のパロディ。越の人の春待つこころを想像してみました。
(第二十句) 湖南の風のわたる義仲寺 游々子
前句のコメントから、芭蕉翁の眠る義仲寺を付けました。
(第二十一句)虚子の墓向きて愛子の墓の建つ 紀子
義仲寺には芭蕉の墓と義仲の墓が並んでいます。それで寿福寺の虚子の墓に向いて斜めに建っている愛子の墓を思いました。
(第二十二句)須磨寺住みし放哉の跡 二宮
須磨寺商店街もずいぶん行っていません。
(第二十三句)夕顔の白く垣根の開きをり 游々子
須磨との源氏つながりで、夕顔の巻の一場面を詠んでみました。
(第二十四句)ふはり飛び交ふ夏蝶二匹 典子
夕顔の咲く庭に夏蝶が飛んでいる景を連想しました。
(第二十五句)初恋の思い出今も胸に秘め 初美
好きともなんとも言わず卒業した思い出。
(第二十六句)五十年ぶりの同窓会 紀子
少し前に母宛に、大阪での同窓会の案内が来ていて、ウキウキしていたのを思いだして。
(第二十七句)母の歳越して卒寿を目指すなり 初美
もう八十六になりました。
(第二十八句)山頂で食むおにぎり旨し 典子
前句の「目指す」より目指していた山の頂に着きお腹を満たす様子を連想しました。
(第二十九句)稲刈てふっと見上げる月光 二宮
仕事をすましホッとした気分を想像しました。
(第三十句) 耳に残りし小鳥の言葉 紀子
前句の稲刈りより、雀を連想し四十雀を。四十雀の言葉を聞きわけてみたいです。
(第三十一句)幼子の足元細きばつた飛ぶ 典子
前句の小鳥より視点を下に移しました。
(第三十二句)小さな虫の密かな住まい 二宮
虫たちも生きてますね
(第三十三句)筑紫なる旅人の詠める令和の詩 游々子
稲作が伝わった弥生から時代を進めて、令和の元号の元となった大宰府での梅花の宴の大伴旅人を題材にしてみました。
(第三十四句)万葉歌碑に波音のして 典子
大伴旅人から万葉集を、そして二年前に和歌の浦を散策した時のことを思い出しました。
(第三十五句)桜咲く千年先も日の本に 紀子
万葉集が編纂されて千年以上経ちます。千年後の今伝わると言う凄い事だと思います~世の中はどんどん変わりますが、桜の美しい季節は変わらずに訪れてほしいと思いました。
(挙句) 花愛でうたうこころ優しと 二宮
美しいと思う気持ちを大切にしたい。


