連句(48)

連句(48)『藤棚の巻』
令和8年5月1日(金)〜5月4日(土)
連衆  二宮 游々子 典子 紀子 初美

各句のコメントは自句自解です。

(発句)   藤棚に茣蓙敷き遊ぶ幼女たち      二宮

小さな児童公園の藤棚の下、ままごと遊びの幼児の世界がありました。

(脇句)   家に戻ればよもぎの餅よ        游々子

入園前の幼児は可愛いものです。

(第三句)  燕の巣行き交ふ人に守られて      典子

子どもの頃、近所の家にも毎年燕の巣が作られていました

(第四句)  タキシードめかし晩餐会        紀子

燕から燕尾服を連想しました

(第五句)  月光に虫の音聞こえ耳すます      二宮

月並みな句です

第六句)  漂うてくる秋刀魚の匂ひ        紀子

聴覚から臭覚へ

(第七句)  夫の書を借りて更かしぬ秋灯下     初美

毎月配達される夫の文藝春秋を読んでます。

第八句)  推しのスターに恋の噂が        典子

前句と自解の文藝春秋より週刊誌を連想しました。

(第九句)  今思うひとを光らす恋力        二宮

自分にはなかったことでした。 それでいいのだ(赤塚不二夫)

第十句)  一進一退中東の海           紀子

恋力から国力を連想しました。えらく飛びましたが、今気になっているニュースです。

(第十一句)  密教の寺に親鸞堂のあり       游々子

前句の中東より、宗教の対立を克服した我国を詠みました。なかんずく善通寺という真言宗総本山の寺に祀られている親鸞堂を。

(第十二句)  水平線は波の上雲          二宮

どちらも青、違いもあるけど。

(第十三句)  夏の月百万ドルの夜景より      紀子

前句の雲より高階をイメージ。高階のラウンジより眺める百万ドルの夜景に上る月です。

(第十四句)  夕焼を跨ぐ金門ブリッジ       游々子

香港よりチャイナタウンのあるサンフランシスコに飛びました。

(第十五句)  緑多き学生街の朝のカフェ      典子

サンフランシスコよりバークレーを連想しました。バークレーは堺市の姉妹都市となっています。 

(第十六句)  値上げに減りし卓の一皿       紀子

物価上昇で厳しい学生生活

(第十七句)  桜植え咲くを待つ村里の衆      二宮

桜盛りばかりを見るものかや?という兼好の言葉があり、枝ぶりとか、そのつながりです。

(第十八句)  日本髪結ひ十三詣          典子

桜が咲く季節から十三詣を連想しました。

(第十九句)  トロッコ列車分けいる山の緑立つ   游々子

十三詣りから渡月橋を連想。更に嵐山に分けいるトロッコ列車を連想しました。

(第二十句)  桔梗家紋の人気の土産        紀子

トロッコ列車で亀岡へ 亀岡は丹波の南という事で、明智光秀を連想しました。

(第二十一句) 故郷の塩田の景懐しく        初美

家紋、土産等から思いました

(第二十二句) 水路に溢るゆる抜きの水       游々子

故郷懐旧のひとこまです。

(第二十三句) 湯気立ててしっぽくうどん出来上がり 紀子

母はよく手打ちうどんを作ってくれました。具沢山のしっぽくうどんが得意料理でした。

(第二十四句) 手ぶくろ脱いで器暖か        二宮

とにかくいただきました。

(第二十五句) バーナード・リーチの椅子の細き脚  典子

前句の器から民藝の作品、そこからバーナード・リーチを連想しました。

(第二十六句) 座敷わらしの棲みし曲家       游々子

日本の民芸運動に深く関わったバーナード・リーチより、東北の座敷わらしを連想しました。座敷わらしは愛着を持った子供の家に棲みつくそうです。

(第二十七句) 物語秘めみちのくの文字摺草     紀子

河原左大臣の句から連想しました。

(第二十八句) 南無法蓮と銀河に唱え        二宮

東北地方ということで宮沢賢治を思いました。

(第二十九句) 大学の寮のベランダ月今宵      典子

宮沢賢治は中学に進学すると、寮で生活をするようになったそうです。そこから現代の大学生の寮生活に思いを馳せました

(第三十句)  蔦紅葉なる城の石垣         游々子

大学より蔦の絡まった煉瓦造りの学舎を連想し、更に蔦紅葉となっている城跡の石垣を連想しました。

(第三十一句) 孫曾孫泊めて長き夜長からず     初美

子どもたちも成長して曾孫まで授かって嬉しいです。

(第三十二句) 揃ひの服でテーマパークへ      典子

前句から若い家族がテーマパークに遊びに行くことを連想しました。

(第三十三句) デパートへ老を忘れて無駄遣ひ    初美

毎日買物に行って、夫にも娘にも怒られます。

(第三十四句) 赤ちゃん連れにこころウキウキ    二宮

街に出れば、若い人の姿も見られます。

(第三十五句) 杖と来てこぼるゝ花を仰ぎをり    游々子

杖が分身のように愛おしくなって来ました。

(挙句)   彩ある風に舞ふ風車          典子

前句より静かな風を連想しました。